こんにちは、Mituso(@Mitsuo29817853)です。
障害児の育児を考えた際に、悩みのひとつになるのが経済面ではないでしょうか。
育児には様々な費用がかかります。
とりわけ障害児育児となると靴やカバンなどの耐久性や使いやすさに気を配ったり、価格を優先するわけにはいかない状況も多くなります。
そんな中、進級に合わせて受けられる補助があります。
それが「特別支援教育就学奨励費」です。
ここではこの制度の目的や仕組みをまとめ、どのくらいの補助となるのかシュミレーションもしてみたいと思います。
特別支援教育就学奨励費とは?
まず特別支援教育就学奨励費はどんな制度なのか簡単にご紹介します。
趣旨・目的
文部科学書HPでは特別支援教育就学奨励費について以下のように書かれています。
障害のある幼児児童生徒が特別支援学校や小学校・中学校の特別支援学級等で学ぶ際に、保護者が負担する教育関係経費について、家庭の経済状況等に応じ、国及び地方公共団体が補助する仕組みです。なお、平成25年度より、通常の学級で学ぶ児童生徒(学校教育法施行令第22条の3に定める障害の程度に該当)についても補助対象に拡充しています。
対象とする経費は、通学費、給食費、教科書費、学用品費、修学旅行費、寄宿舎日用品費、寝具費、寄宿舎からの帰省費などがあります。
(文部科学省HPより)
要約すると「特別支援学校、特別支援学級などへの就学に合わせ、必要となる費用の全部、または一部を補助する制度」というものです。
また、平成25年度より対象となっている「学校教育法施行令第22条の3」とは以下のような障害の程度を表す基準になっています。
(福島県特別支援教育センター資料より抜粋)
特別支援学校や支援級に進学せず、普通級に就学した場合であっても、このような障害がある場合は補助の対象となります。
対象者
「趣旨・目的」でも少しふれましたが、改めてこの制度の対象者は以下のとおりです。
[対象者」
1. 特別支援学校、特別支援学級に在籍している方
2. 普通級に在籍しているが、学校教育法施行令第22条の3の障害に該当している方
学校に公立、私立の区別はありません。
このほか、地域の通級指導教教室に通級している方も対象ですが、この場合は交通費のみが補助対象になります。
また、1, 2の対象者の方も、以下の場合は制度の対象外となります。
[対象から外れる条件]
1. 児童福祉施設に入所、または指定療育機関に入院し、就学に係る措置費や療育の給付を受けている場合
2. 生活保護や要保護児童生徒援助費補助金を受けている場合で、同一費目の補助を受けている場合
特別支援教育就学奨励費は教育に関する補助であるため、生活保護などその他の制度ですでに教育に関する補助を受けている場合は対象外となります。
生活保護については以下を参考にしてください。
また、収入によっても支給対象者から外れる可能性があります。
[対象から外れる収入条件]
自治体によって収入基準や補助額が異なります。以下は目安として考えてください。
-R5.4月現在 東京都の場合-
親2人子1人の3人世帯・・所得604万円以下で半額補助、362万円以下で全額補助
親2人子2人の4人世帯・・所得729万円以下で半額補助、437万円以下で全額補助
-R5.4月現在 札幌市の場合-
3人世帯・・所得716万円以下で半額補助、交通費は実費補助
4人世帯・・所得793万円以下で半額補助、交通費は実費補助
繰り返しになりますがお住まいの自治体、進級する学校によって違いがありますので問い合わせてみてください。
対象から外れるケースがけっこう多いですね・・・。
まとめると、生活保護などで教育に関する補助を受けていない、3~4人世帯では所得700万円くらいまでであれば補助の対象となる可能性が高いです。
対象項目
さて、それではどういったものが補助の対象となるのでしょうか。
先ほども載せましたが文部化科学省HPには「通学費、給食費、教科書費、学用品費、修学旅行費、寄宿舎日用品費、寝具費、寄宿舎からの帰省費など」が対象となっています。
それぞれの対象品を簡単に紹介しておきます。
通学費・・本人の交通費だけでなく、付添人の交通費も含まれることがあります
給食費、教科書費・・これはその言葉の通りです
学用品費・・以下のような様々なものが含まれます
えんぴつ、消しゴム、色えんぴつ、はさみなどの筆記用具
ジャージ、運動靴、水着、スキー一式などの体育用品
色紙、スケッチブック、長靴など実験や作業用衣類など
その他、エプロンやスモックなど学校で用いるもの
ランドセル(新入生の場合)
修学旅行費・・修学旅行に限らず、郊外活動を含み、付添人の費用も含まれる場合があります
寄宿舎日用品費・・寝具や必要品、食費などが入る場合もあるようです
ちなみに「寄宿舎(きしゅくしゃ)」は学校が用意している宿泊ができる宿舎、寮のことです
寝具費・・こちらも言葉の通りです
帰省費・・寄宿舎など利用している場合に本人が帰省するための費用です
自治体によっては対象について多少の違いがありますので、お住まいの自治体か、通われる学校に問い合わせて頂くと確実かと思います。
ちなみに補助を受けられるのは在学中になりますが、準備のため入学前に購入したものも補助の対象となりますので、レシート・領収書は大切に保管しておきましょう。
補助額のシュミレーション
それでは実際のどのくらいの補助額になるのかシュミレーションしてみたいと思います。
購入するものや就学の状況はひとそれぞれですし、補助となる額も自治体によって違いがありますので一概には言えませんが、ひとつの参考としてください。
想定は以下とします。
・特別支援級に入学する重度知的障害児
・身体障害はなし
・4人世帯、収入条件により半額補助適用
わが家の次男も来年の春に入学となりますが、せっかくなので現時点で購入を検討している以下も含めたシュミレーションしてみたいと思います。
[入学準備編」
ランドセルは価格や丈夫さ、汚れた時のストレスなどを考えると革製ではない、スポーツブランドのものを候補にしています。
ミズノ ランドセル 24,328円
「神消しゴム」と言われているこちら。かなり気になっています。
サクラクレバス 消しゴム 660円
次男の筆圧を考えると、HBや2Bではなく、6Bでも思っています。
三菱鉛筆 かきかた鉛筆 ユニパレット 6B 552円
上靴はこれまでも愛用してきたニューバランスにしたい。丈夫で、履きやすく、安心感があります。
ニューバランス キッズスニーカー 3,860円
この他、このようなものを購入したとします。
・ノート 5冊 500円
・筆箱 1000円
・ペンセット 1000円
・上靴入れ、エプロン入れ巾着 400円
・ジャージ 3000円
先ほどのランドセル、消しゴム、鉛筆、上靴も合わせて計 35,054 円
全て半額補助の対象なので、補助額 17,527円
文房具類はとくにもう少し多く買うと思いますので、実際にはもっと補助額が大きくなると思います。
通学用の靴やレインコート、傘なども補助の対象となりますが、幼稚園・保育園から継続して使用する方も多いと思いますので、ここでは除外しています。
[入学後編]
通学費や給食費、入学後に購入するものも補助の対象になります。
支援級でも必要となることが多い水泳セットや、寒冷地のスキーなどは金額が大きくなるため、補助の意味がとても大きくなります。
通学費は半額ではなく全て実費で補助となりますが、学用品費などは項目ごとで補助額の上限が設定されていることが大半ですので確認しておきましょう。
また補助を受けるには領収書やレシートの提出が必要ですが、学校で料金が徴収される教材類は学校で申請処理してくれるようなので、確認だけしておけばよいと思います。
次男もそうですが、ダウン症児は体が小さいことが多いので、小学校低学年くらいでもキッズの小さめサイズが体に合っているのかな、と思っています。
キッズ水着セット 2,199円
このほか以下のようなものを購入します。
・スキーウェア 10.000円
・帽子、手袋など 5,000円
・スキーセット 20,000円
先ほどの水泳セットも合わせて計 37,199 円
全て半額補助の対象なので、補助額 18,596円
このほか、公共交通機関で通学をする場合などはその実費が補助の対象になります。
上限額が決まっているものの、数万円単位の出費に半額の補助がつくことを考えれば積極的に利用を考えてよい制度だと思います。
特別支援教育就学奨励費の申請方法
さて、それではこの制度の申請方法についてです。
自治体によって若干バラつきがありますが、おおむね以下のような流れです。
- 学校から特別支援教育就学奨励費の申請書を受け取って、必用事項を記入する
- 以下の書類を用意する
・家族で所得がある人の所得が証明できる書類(確定申告書、源泉徴収票や所得証明書。全て写し可)
・振り込み先となる口座証明書(証明書に記入する形式か、通帳の写しを提出)
・すでに購入している品物のレシート、領収書(品物、宛名、日付、金額が分かるもの) - 学校へ申請書、2の書類を提出する
最初の申請は入学後、4~6月あたりで受け付けていますが、それ以降も順次申請を受け付けてくれるところが多いようです。
申請の結果が通知され、その後に指定した口座に入金となります。
ただし、給食費などは業者に直接支払いがされるため口座に入金はありません。
特別支援教育就学奨励費の注意点
それでは改めて制度の注意点をまとめたいと思います。
・対象者は特別支援級、特別支援学校に通う生徒、もしくは普通級に在籍しているが一定の障害のある生徒。ただし、生活保護などにより既に教育に関わる補助をうけていないこと。
・補助の対象は学校生活で必要となる物や費用。家で使う服などは対象外となる
・補助額は収入によって変わり、かつ上限額が設定されている
・購入したもののレシートや領収書は申請まで必ずとっておくこと
以上となります。
申請に必要な書類は用意するのにそれほど面倒なものはありませんので、しっかりと揃えて利用したいですね。
まとめ
特別支援教育就学奨励費についてまとめました。
特別児童扶養手当などと比較してあまり名前の聞かない制度かもしれませんが、多くの人が受けられる制度です。
また、収入によるものの補助される額もかなり大きくなります。
しっかりと準備をして利用していきましょう。