「特別児童扶養手当」と「児童手当」と「児童扶養手当」の話。

「特別児童扶養手当」と「違い」の話。 社会制度のこと

こんにちは、Mituso(@Mitsuo29817853)です。

子供を育てるという際には多くの方が経済面での不安を抱えると思います。

その不安の解消のために国や自治体には経済的に援助する制度があり、ダウン症など障害がある場合は、健常の子よりも手厚い制度が設定されています。

これらの制度があれば不安は解消される、というほどのインパクトは正直ありませんが、利用できる制度は絶対に利用すべきです。

障害児に対しては様々な補助や割引、サービスが設定されていますが、その中で金銭の支給となるのが「特別児童扶養手当」です。この手当は国が設定しているものですが、各自治体のHPにも説明があります。

この記事では特別児童扶養手当の説明を中心に、名前のよく似ている「児童手当」や「児童扶養手当」との違いについてまとめました。

・2020年12月追記 令和3年3月に変更となる児童扶養手当については反映
・2021年2月追記 児童手当の特例給付の上限設定について閣議決定内容を反映
・2021年5月追記 児童手当の特例給付について参院本会議で可決され、2022年10月支給分から適用となることを反映
・2022年2月追記 児童扶養手当一部支給額など最新の値に更新
・2022年11月追記 特別児童扶養手当の額を更新、所得制限についての考察を追記
・2023年1月追記 我が家の次男が特別児童扶養手当の1級対象になったことを反映

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特別児童扶養手当の目的

特別児童扶養手当の目的について、自治体のHPには「精神又は身体に障害を有する児童を養育する父母等に手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ることを目的にしています。」とあります。

これはつまり、「障害のあるお子さんを育てるお父さん、お母さんに手当を渡しますのでお子さんのために使ってください」と読み取れます。

特別児童扶養手当の支給要件

支給要件については「20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童(以下「対象児童」といいます。)を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。」とあります。

ただし、以下の場合は対象から外れます。

・受給資格者(請求者)や対象児童が、日本国内に住所を有しない
・対象児童が児童福祉施設等に入所している
・対象児童が障害を事由とする年金を受けることができる


大雑把にいうと日本の家庭で生活していて、障害年金をもらっていない20歳未満の障害児は対象になるということです。

特別児童扶養手当の支給額(2022年.4月現在)

支給額は障害等級に応じて以下のようになります。

障害等級 1級 52,400円 / 月 → 209,600円 / 4か月  → 628,800円 / 年
障害等級 2級 34,900円 / 月 → 139,600円 / 4か月 → 418,800円 / 年
※ 4月、8月, 12月に4か月分まとめて支給

上述したように「これだけもらえば大丈夫」という額ではありませんが、収入の助けになる金額です。

「障害等級」とは?

障害の重さを示すもので障害がある個所、種類により細かく分類されています。例えば、知的障害に関しては以下のような定義になります。

知的障害等級:
1級・・食事や身の回りのことを行うために全面的な援助が必要。かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難。日常生活に常時援助が必要。
2級・・食事や身の回りのことなど基本的な行為を行うのに援助が必要。かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られる。日常生活は援助が必要。

等級の判定は原則、自治体指定の医師が行います。

なかなか1級の判定はでないように思っていました

が、先日、我が家のダウン症の次男も1級の判定(療育手帳A判定)に変わりました。

決め手になったのは「発語」です。

何かしらの手段で意思疎通が少しできたとしても、等級基準の中で「会話」が重視されているため1級対象となりました。

身体障害者手帳の1級から3級、4級の一部、もしくは療育手帳のA判定相当をお持ちの方は特別児童扶養手当申請のための判定が免除されることがあるので、自治体の担当窓口に問い合わせしてみるのがよいと思います。

特別児童扶養手当の所得制限

手当の支給に当たっては所得制限限度額が設定されていて、所得が一定の額を超えると手当の支給が停止されます。

計算の対象となるのは、手当を受給している父母(受給資格者)、その配偶者、または生計を同じくする扶養義務者です。

受給資格者本人
扶養親族等の数所得額参考: 収入額の目安
04,596,0006,420,000
14,976,0006,862,000
25,356,0007,284,000
35,736,0007,707,000
46,116,0008,129,000
56,496,0008,546,000
厚生労働省HPより 受給資格者本人の場合のみ抜粋

我が家の場合、私が会社員をしており、妻、長男、次男の3人は私の扶養家族となります。

この場合、所得が約540万円に達すると所得制限にひっかかり、手当の支給が停止されます。

わが家はまだ支給停止には達していませんので、停止の対象にはなっていません。

しかし、私はこの所得制限の額も、そもそも所得制限がされていることも、国の政策として正しいのかなと疑問を感じています

少子高齢化を突き進んでいる現在の日本で、子育てを行っている方たちは国力の維持のためにも重要であることは明白です。

所得に関係なく国が子育てを支援する姿勢を示すことは国の未来のためにも確実なプラスになるはずです。

また、所得制限がなければ、我々のような子育てしている当事者も所得をあげる努力を気兼ねなく行うことができます。

高齢化や他の問題で税の分配が難しいことは理解しますが、子育てをするための最適な環境作りを国は再考してほしいと思いますし、我々も主張していかなくてはいけないのだと思います。

支給について、詳しくは厚生労働省のHPに出ていますので参考にしてください。

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児童手当、児童扶養手当との違い

名称がよく似た手当で「児童手当」「児童扶養手当」があります。特別児童扶養手当をもらっている場合、これらは重複してもらうことは可能でしょうか? 

そもそもどういった手当でしょうか?

各手当を簡単にまとめると以下のようになります。

児童手当
支給対象:出生から満15歳以後の最初の3月31日までにある児童
受給者:日本在住児童の父または母
支給額:3歳未満 15,000円/月
    3歳以上小学校終了前 10,000円/月(第3子から15,000円)
    中学生 10,000円/月
    ※ 6月、10月, 2月に4か月分まとめて支給

支給の「特例給付」とは?

親の所得が所得制限値限度額以上の場合、児童手当は月額一律5,000円となります。これを「特例給付」といいます。この場合の「親」とは世帯主(世帯で最も収入がある人)であり、所得限度額は扶養親族等の数によって決まります。例えば、扶養親族が一人の場合は収入額目安は875.6万円になります。
詳しくは内閣府や各自治体のHPに記載があります。
2021年5月、この特例給付について政府は特例給付の対象となる年収に上限を設ける改正案が可決、成立となりました。適用は2022年10月からとなります。上限は年収1200万円で世帯主がこれを超えた場合、特例給付も受給できなくなります。
以前より合わせて検討されてきました年収算定の対象を「世帯主」から「夫婦合算」とする案は見送られています。


児童扶養手当
支給対象:父母が婚姻を解消した児童、父(母)が死亡した児童などで、健常児は18歳に達するまで、障害児は20歳まで。
受給者:児童を監護している父、母、または父母に変わって養育をしている方
支給額:対象児童1人
    全部支給 43,160円/月 一部支給 43,150円~10,180円/月
    対象児童が2人での加算額
    全部支給10,190円/月 一部支給10,180~5,100円/月
    対象児童が3人目以降の加算額
    全部支給6,110円/月 一部支給6.100~3,060円/月

令和3年3月分からの児童扶養手当の変更点

これまで障害年金を受給している一人親家庭では、障害年金額が児童扶養手当の額を上回る場合は児童扶養手当を受給することが出来ませんでした。
令和3年3月分から、児童扶養手当の額と、障害年金の子の加算部分の額との差額を児童扶養手当として受給できるようになります。
すでに児童扶養手当受給資格者として認定されている方は申請扶養ですが、それ以外の方は申請が必要です。
詳しくは厚生労働省の資料を確認してください。

障害年金についてはこちらを参考にしてください。

それぞれの手当をまとめると、このようになります。

・児童手当は中学校までの児童がいる家庭向けの手当
・児童扶養手当は高校か大学くらいまでの児童がいる一人親家庭向けの手当
・特別児童扶養手当は障害をもつ児童がいる家庭向け

個人的には児童扶養手当の2人以上の加算額の少なさに驚いています。

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特別児童扶養手当と療育手帳の判定の違い

特別児童扶養手当の受給をうける際は診断書作成のために判定を受けます。

療育手帳取得のためにも判定を受けます。

これらの違いは簡単にまとめると以下のようになります。

特別児童扶養手当の判定
判定者:医師(診断書が書ける医師は病院、役所の担当窓口に確認)
判定区分:障害の程度が重たいほうから1級、2級の2種類
再判定時期:精神疾患の場合2年で再認定が必要

療育手帳の判定
判定者:18歳未満 児童相談所   18歳以上 知的障碍者更生相談所
    (いずれにしてもまずは役所の担当窓口で相談)  
判定区分:多くはA、Bの2種類(3種類などもある)
再判定時期::様々で手帳に記載あり(我が家は2年です)

このように判定の基準が異なるので、手帳はないが手当はもらっている、といったケースもあります。

また、療育手帳は各自治体の制度のため、特に判定基準が各自治体によって若干異なることがよく問題としてあがります。

これは引っ越しなどにより住む自治体が変わると受給の可否が変わってしまう可能性があるということで、だんだん改善の方向には向かってはいますが解決はしていない問題です。

ちなみに身体障害者手帳は地域による差がありません。

これは身体障害者手帳は「身体障碍者福祉法」という国の法律に基づいているのに対し、療育手帳は根拠となる国の法律がないためです。

さいごに。

特別児童扶養手当を中心に、子供を対象にした各種手当や療育手帳との関係についてまとめました。

似たような名称や、少しだけ異なる判定基準など理解するには難しい制度がたくさんあります。

冒頭でも書きましたが、分かりづらい制度でも利用できるものは利用すべきです。

大抵は自治体の窓口で聞くと丁寧に説明してもらえますので、まずは窓口に行ってみることをお勧めします。

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