「障害児福祉手当」と「特別障害者手当」と「違い」の話。

「障害児福祉手当」と「特別障害者手当」と「違い」の話。 社会制度のこと

「障害」が身近なものとして生活をしていると、程度の差はありますが、何かしら負担や不安を感じることがあります。

その中で代表的なものが経済的な不安です。

医療費については助成制度などありますが、本人の就労に制限が出たり、両親の共働きが難しくなるなど収入に影響がでる状況が想定されます。

その状況を改善するための各種手当が国や地域によって設けられており、その中に「障害児福祉手当」と「特別障害者手当」という手当があります。

これらに似た名称で「特別児童扶養手当」という手当もあります。

受給要件や受給額など違いはどういったところでしょうか?

ここでは、障害児福祉手当と特別障害者手当の目的や受給要件に加え、特別児童扶養手当との違いや各手当を受給していた場合の月額イメージについてまとめました。

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各手当の目的

これらの手当ての目的は以下のように書かれています。

障害児福祉手当 目的

重度障害児に対して、その障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給することにより、特別障害児の福祉の向上を図ることを目的としています。 (厚生労働省 HP)

特別障害者手当 目的

精神または身体に著しく重度の障害を有し、日常生活において常時特別の介護を必要とする特別障害者に対して、重度の障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給することにより、特別障害者の福祉の向上を図ることを目的にしています。  (厚生労働省 HP)

特徴的なのが、どちらも障害の程度を「重度」と表現している点です。児童手当や特別児童扶養手当よりも、より障害により生活に支障が出ている方が対象であることが想像できます。

では、具体的に手当の対象者はどのようになっているのでしょうか。

各手当の対象者、判定基準

手当の支給要件は以下のようになっています。

障害児福祉手当 支給要件

精神または身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者に支給されます。 (厚生労働省HP

特別障害者手当 支給要件

精神または身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の者に支給されます。(厚生労働省HP)

ここから、障害児福祉手当は重度の障害がある20歳未満の方を対象に、特別障害者手当は20歳以上の方を対象にしている手当であることが分かりました。

次に、判定基準についてです。

他の手当のように国に定められた基準に基づく判定を医師から受けるのですが、その前段階として、以下の状態だと判定から除外され、手当の支給対象とはなりません。

障害児福祉手当 対象外基準

・等級が2級~6級の視覚障害のみの身体障害者手帳を持っている方
・等級が3級~6級の聴覚障害のみの身体障害者手帳をもっている方
・総合等級が3級~6級の肢体のみに係わる身体障害者手帳を持っている方
・等級が3級、または4級の内部障害のみの身体障害者手帳を持っている方
・等級がBの知的障害のみの療育手帳を持っている方(例として判定A,Bの2段階の場合。地域によって差があります)

特別障害者手当 対象外基準

・視覚障害のみの身体障害者手帳を持っている方
・聴覚障害のみの身体障害者手帳を持っている方
・総合等級が4級~6級の身体障害者手帳を持っている方
・等級が3級または4級の内部障害のみの身体障害者手帳を持っている方
・等級が3級の精神障害者保護福祉手帳のみを持っている方
・等級がBの知的障害のみの療育手帳を持っている方(例として判定A,Bの2段階の場合。地域によって差があります)

療育手帳の地域差については以下を参照してください。

これらの対象外の基準より、手当の対象となるのは以下のような方だということが分かります。

障害児福祉手当 対象目安

・身体障害者手帳1級、および2級の一部
・療育手帳等級A
・これらと同等の疾病・精神障害

特別障害者手当 対象目安

・身体障害者手帳1級で2つ以上、もしくは1級の他に2つ以上の2級
・療育手帳判定Aで、その他の疾患、または常時の介助を必要とする
・これらと同等の疾患・精神障害

最終的には国が定める判定基準にそって医師が診断書を作成しますが、これらが対象となる目安になります。

20歳未満で障害児福祉手当の対象であった場合でも、特別障害者手当の条件がより厳しくなるため、20歳を境にこの手当の受給が出来なくなる状況も想像できます。ただ、それでも障害年金に比べて基準がはっきりしているので、まだ受給の検討をしやすい点はよい点だとは思います。

障害年金については以下を参照してください。

ただし、これらの条件を満たしていた場合でも対象から外れることがあります。それは、以下の条件に該当する場合です。

障害児福祉手当 除外項目

  • 日本国内に住所を有しないとき
  • 障害を支給事由とする年金を受けることができるとき
  • 肢体不自由児施設などの施設に入所しているとき

特別障害者手当 除外項目

  • 日本国内に住所を有しないとき
  • 障害者支援施設や養護老人ホーム、特別養護老人ホームなどの施設に入所しているとき
  • 病院または診療所に継続して3か月以上入院しているとき

これらの条件から基本的に自宅などの施設外で療養、介護をうける重度障害者のために支給される手当であることが分かりました。

所得制限

これらの手当にも所得制限が設定されています。所得制限の額はどちらの手当も同額です。
特徴的なのが、受給資格者本人の所得制限に加え、受給資格者の配偶者および扶養義務者に対しても所得制限を設けていることです。
例えば目安として、扶養親族の数が0人の場合、
受給者本人の収入が518万円、配偶者の収入が831万円をこえると手当を受給することが出来なくなります。
扶養親族の数に応じてこの金額が本人はおよそ50万円ずつ、配偶者および扶養義務者はおよそ200万年ずつあがっていきます。
詳しくは厚生労働省HPで確認してみてください。

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支給額、他の手当との合算額は?

支給される要件を満足した場合、支給される額(令和2年4月適用)と支払時期は以下の通りです。

障害児福祉手当

支給月額 14,880円
支払時期 2月、5月、8月、11月 (各月3か月分 44,640円)

特別障害者手当

支給月額 27,350円
支払時期 2月、5月、8月、11月 (各月3か月分 82,050円)

また、これらの手当は他の手当と並行して受給することが出来ます。

例えば、障害児福祉手当を受給することが出来る場合、児童手当、特別児童扶養手当も受給することが可能です。

特別児童扶養手当も障害のある家庭に支給される手当ですが、障害児福祉手当と比較すると受給の対象になりやすい、といった違いがあります。

障害児福祉手当が身体障碍者手帳1級、療育手帳A判定を目安にしているのに対し、特別児童扶養手当は身体障害者手帳1~3級+4級の一部、療育手帳A, B判定を対象としています。

例として3歳未満の子供1人に対して、児童手当、特別児童扶養手当、障害児福祉手当を受給している場合は以下のような受給イメージになります。

児童手当
支給額 15,000円/月 支払時期 2, 6, 10月 (各月4か月分 60,000円)

特別児童扶養手当 1級
支給額 52,500円/月 支払時期 4, 8, 12月 (各月4か月分 210,000円)

月額 受給イメージ

1月  0円
2月  104,640円(児童手当+障害児福祉手当)
3月  0円
4月  210,000円(特別児童扶養手当)
5月  44,640円 (障害児福祉手当)
6月  60,000円 (児童手当)
7月  0円
8月  254,640円 (特別児童扶養手当+障害児福祉手当)
9月  0円
10月  60,000円  (児童手当)
11月  44,640円  (障害児福祉手当)
12月  210,000円 (特別児童扶養手当)

計 988,560円

最後に

障害児福祉手当、特別障害者手当についてまとめました。

受給できる条件がほかの手当に比べて狭いことから、あまり馴染みのない手当のように思うかもしれませんが、こういった手当も設定されていること、受給している方々がいることを知ることがひとつ大切なポイントなのだと思います。

他の手当もそうですが、これらの制度が年々変化していくので、変更点がどういったところなのかを今後も注意していきたいと思います。

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