ダウン症の次男が生まれる少し前から告知を受けるまでの話です。
次男はもうすぐ3歳になりますが、思い返すと、生まれてから告知を受けるまでも健常の長男とは違うことが多かったなぁと思います。
あくまで私の体験、感想なので「ダウン症」の子に必ず当てはまるような定義ではありません。
ダウン症の次男と健常の長男の出産にまつわる違い
ダウン症の次男と、健常の長男の違いは思い返すとこんな感じだったと思います。
ひとつめ
次男はお腹にいるときのエコー検査で、「足が若干短いように思う」と言われていました。父親の自分に似て足が短いんだねー、くらいに考えており、あまり気にはしていませんでしたが・・。
ダウン症では足が健常の子と比較し短いことが多いといわれています。正直、今でもあまり気になりません。
ふたつめ
次男は出産予定日よりも2週間ほど早く、しかも陣痛が始まってから2時間ほどで生まれました。長男の時は出産日ちょうどで陣痛が始まってから12時間ほどかかりました。
長男も次男も里帰り出産で、妻の実家は自宅から車で5時間ほどかかる離れた場所だったので、次男の時には全く立ち会うことが出来なかったのが今でも悔しいです。
ダウン症だから早く生まれる、という根拠は見たことはないですが、なぜかよく聞くように思います。
みっつめ
生まれた後の看護師さんたちの様子です。
出産が終わって数時間後に病院に駆け付けたわけですが、どうも看護師さんたちの距離が遠い。健常の長男の時はもっと、おめでとうございます!!、みたいな雰囲気だったような記憶があったので違和感があったのを覚えています。
奥さんのいる病室に先生と看護師さんと次男が入ってきて、初対面の次男の顔をみてニヤニヤしている私に先生はこんな話をしました。
(先生)「顔がやはり気になりますか?」
(私)「はい、そうですね(私か奥さんか、どっちに似ているか気になります)」
(先生)「ですよね、お子さん、おそらくダウン症です」
(私)「!!!!」
先生は、私が次男の顔からダウン症の特徴を感じ取っていると勘違いし、「やはり気になりますか?」と聞いたのだと後になって気づきました。
先生も看護師さんたちもベテランなので、ある程度の確信をもって私たちにダウン症を告げたのだと思います。
よっつめ
顔でダウン症には全然気づかなかったですが、病室で落ち着いて次男を抱っこしてみると次男の筋力の弱さ、柔らかさはよく分かりました。
長男が大きく重たかったのもあって、よけいに軽く、ふにゃふにゃしているな、と思ったのが印象に残っています。
吸う力も当然弱かったので授乳もすごく時間がかかっていました。
今でも力は弱いですが、表情豊か、音楽とダンス大好き、小走りくらいはします。
いつつめ
というかよっつめの余談ですが、出産後の一週間ほどの入院期間中は個室にしてもらいました。いろいろと頭を整理できる環境が欲しかったですし、妻を一人にしないで私も泊まり込みが出来ると思ったからです。
これは本当に正解だったと思います。最初の二日くらいは頭を整理するどころか、妻と二人で泣き倒しました・・。
ただ、幸いなことに次男はダウン症ですがこれといった合併症がなく、個室で触れ合う時間が割とあったのがすごくよかったです。障害のことは不安でしたしショックでしたが、スキンシップを最初に多くとれたことで自分たちの子である実感がすごくわいてきました。
その後ですが、退院して約3週間後、「21トリソミーのダウン症です」という告知を受けました。
個室入院中に染色体検査に同意し、その結果が出るまでに3週間ほどかかりました。だた、告知を受けるときにはもうダウン症であることは確信していたので、それは分かっているので・・、のような雰囲気で先生にいろいろと矢継ぎ早に相談してしまいました。
もっと色々あるのですが、次男が生まれてから約3年たって印象に残っているのはこんなところです。
ダウン症の子を授かって思うこと
さて、私が今回の話を書いたのは自分たちの苦労を感じてほしいわけでも、誰かの不安を煽ろうとしているわけでもありません。
ダウン症が生まれた場合の一つのケースとして誰かの参考になれば良いかなと思ったのと、ダウン症の出産、出生について読んでくれた方にひとつメッセージを伝えたかったからです。
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今、このブログを読んでくれている方は、私たちと近しい状況の親御さん、親族の方、あるいは友人の方、単純にダウン症や障害を知りたいと思った方だと想像しています。
まずは、親御さん、出産おめでとうございます、本当にお疲れさまでした。
ダウン症かも、と不安かもしれません。お気持ちはよくわかります。
ただ何か悪かったわけではないです。誰も責められることじゃありません。
ダウン症が自分の身近になるかもしれない方々、まずは労を労って、おめでとうと言って、間違ってもよく分からないまま責めるような考えは持たないでください。
ダウン症の子供を育ててまだ3年ばかりですが、ほんと、何も不幸になったことはありません。むしろ世界がすごく広まりました。障害はもちろん、人の命や性別、人種に関する考え方が大きく変わりました。経済的な面でいえば、障害があるから、という理由で特に変わったことはありません。補助などたくさんあります。なんとでもなります。
身近となった障害がきっかけでおそらくたくさんのことに気付くと思います。自分の周りには気づいていなかっただけで、障害や、名前がまだついていない苦労がも元々たくさんあったんです。
どうか、人に、個人に、それぞれがより優しい社会になっていってほしいと願っています。
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